
真謡会館で能を学んでおられる方が、12月に引き続いて1月もお写経に取り組まれました。本日は阿弥陀三尊像について、お話しさせていただきました。阿弥陀如来は人差し指で輪をつくり、右手を挙げ左手を下げる「来迎印」を結んでおられます。来迎印は、阿弥陀如来が極楽浄土に必ず迎えに来ることを示す印相です。また、脇侍には、観音菩薩と勢至菩薩がおられます。観音菩薩は慈悲を持って、勢至菩薩は智慧を持って、衆生を苦しみや迷いから救済されます。部屋の前にある扁額には「大悲閣」と書かれていますが、これは観音菩薩を祀る仏堂のことを指します。江戸時代に当院に御奉納されました観音菩薩について、ご紹介させていただきました。
その後、観音信仰について話をしている時に、謡曲「平盛久」についてお話しくださいました。源平の合戦に敗れた平氏一門。平盛久が鎌倉へ護送される途中、許しを得て、日頃より崇敬する清水寺の観音菩薩に参詣しました。鎌倉に到着後、盛久が経文を読経していると、霊夢を見ます。翌朝、由比ヶ浜の刑場で、処刑人が太刀を振り上げると、盛久の持っていた経巻が光り輝き、目が眩んで太刀を落とし二つに折れてしまいました。盛久が前日に見た夢と同じであると共に、源頼朝も同様の夢を見ており、奇特を感じた頼朝が盛久を許したいうものでした。双方向の会話を通して、意義深い時間となりました。お写経された般若心経は、本堂に御奉納していただきました。
