花木の女王「石楠花(シャクナゲ)」

 春に豪華な花を咲かせ、花木の女王とも称される「石楠花(シャクナゲ)」を生けました。「高嶺の花」の「花」は「石楠花(シャクナゲ)」であると言われています。日本の「石楠花(シャクナゲ)」は高山植物であり、なかなかお目にかかれないところからきているのだとか。

 近くには、御朱印を授与した信者さまから御奉納いただきました、当院ゆかりの和泉式部の絵がございます。藤原保昌は、かねてより思いを懸けていた和泉式部から紫宸殿前の梅が一枝ほしいと頼まれました。保昌はこれを実行し、警護していた北面の武士に見つかり、矢を射掛けられながらも無事に紅梅を一枝折り取って逃げおおせました。保昌は、「高嶺の花」だった和泉式部の心を射止め、結婚することができました。

 祇園祭の保昌山は、紅梅を手折ってくる保昌の姿をかたどっており、人気のある山車の一つです。このエピソードから、「縁結び」の神とされたのはいかにももっともなことですが、面白いことに「盗難除け」としても信仰されているようです。